ドラッグストア業界の再編
2019年8月22日、マツモトキヨシHD(業界5位)とココカラファイン(業界7位)の経営統合に向けた協議の合同記者発表が行われた。
経営統合すると業界1位となり売上高も1兆円に届く勢いのメガドラッグストアが誕生する。マツモトキヨシHDは久しぶりに1位返り咲きとなる。
イオン系のツルハHD(業界1位)、ウエルシアHD(業界2位)も戦々恐々とした事態となっている。
ココカラファインの争奪戦に敗れたスギHD(業界6位)は、業界1位という大きな野望を果たすことができなかった。
ココカラファインは何故?スギHDではなく、マツモトキヨシHDと組む選択を選んだのか?間違った選択ではなかったのか?
両社は同じ都市型の小型店舗が中心であり、若い女性向けのコスメは人気がある。マツモトキヨシHDのPB(プライベートブランド)力も魅力なのだろう。
記者会見でマツモトキヨシHD松本社長は、「日本一に返り咲き」「アジア一番のドラッグストア」というワードを使っている。
マツモトキヨシHDからすれば、長年1位の座に君臨してきた業界で5位に低迷していることは許せなかったのではないか。
業界1位はそれほど凄いことなのか!会見からは、お客様目線に立った言葉はなかった。
ドラッグストアには二つのタイプがある。一つはマツモトキヨシHDやココカラファインのような駅前やオフィス街に出店している薬・化粧品強化型店舗、
もう一つはコスモス薬品(業界3位)やスギHD、クリエイトSDHD(業界9位)のような郊外型の大型店を展開する食品強化型店舗に分かれる。
店舗数や売上高で順位を決める時代ではないような気がする。
スーパーマーケット(半径1㎞商圏)・コンビニエンスストア(半径300m商圏)・ドラッグストア(半径500m商圏)の小商圏化が進んでいる。
つまり、店舗周辺にお住まいのお客様が毎日のように訪れていただけるような手厚いサービスがどれだけできるかが勝負である。
蓮舫議員の「2位じゃだめなんですか!」という言葉を思い出す。業界の順位ではなく、お客様に選んでいただけるオンリー1店舗になることが大切だと考える。
コンビニエンスストアがそうであったように、今後もドラッグストアの経営統合による業界再編はあるだろう。
今回の統合が成立してもお客様にはまったく興味がないこと、またお客様は業界何位でお店を選んでいないこと、お客様のため親身に相談にのれる接客、
お客様が心から楽しんで買い物していただける店舗こそが、お客様にとっての1位である。企業はそんな店舗造りを目指してほしい。
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